10月13日 大和村フォレストポリス
宇検村立運動公園のグラウンドにバライロムクドリが出たという一報を受け、翌朝車を飛ばした。コムクドリの群れのなかに交じっていたという話だったので、電線を中心にコムクドリを探すが、1羽も見当たらない。渡りの途中で長居はしなかったのだろう。残念だが仕方ない。グラウンドではツメナガセキレイやムナグロが餌を探していた。
引きあげる途中、フォレストポリスに立ち寄る。7月のタカサゴクロサギに続いてなにか珍鳥が入っていないかと探すも、いるのはほとんどが留鳥で、それに冬鳥のサシバが加わっているくらい。すぐ近くの梢が揺れたのでなにかと思うと、ズアカアオバトだった。クロバイの実を食べに来たようだ。実を食べるのに夢中で、至近距離に人がいるにことに気づいていないようす。鳥の世界も食欲の秋なのか。
▲クロバイの実を一心についばむズアカアオバト。
10月22日 龍郷町秋名
秋名でヒメクイナやレンカク、ツルシギが出ていると聞き、朝早く出かけてみた。クイナを探すが、いるのはシロハラクイナとバンばかり。レンカクの姿もない。それでも水を張った田んぼには、ツルシギ、タカブシギ、クサシギ、セイタカシギ、タシギ、チュウジシギの姿があり、なかなかに賑やかである。カルガモも30羽以上いる。ここではカルガモが繁殖しているが、いつのまにかこれだけの大所帯になっていたとは知らなかった。冬鳥として渡ってきたカルガモが交じっているのかもしれない。中に一羽小さなカモがいたのでコガモだろうと思って双眼鏡をのぞくと、オシドリだった。地味ながら嘴が淡桃色なのでオスのエクリプスだとわかる。よく観たら、頸部に赤褐色の繁殖羽が生えかかっているのが確認できた。
観察を終え帰ろうとしたら、なにかバタバタと動く大きな影が……。近づいてみると、ゴイサギの幼鳥が防鳥ネットにかかって逃げ出せなくなっているのだ。かわいそうなのですぐにはずしてやる。翼の付け根から少し出血があるが、折れたりはしておらず、まだ元気である。放鳥すると、一目散に川のほうへ走っていった。ツルの恩返しならぬ、サギの恩返しがあるかなあ。サギの恩返し……語感が悪いけど……。
▲オシドリのオスのエクリプス。メスによく似ているが、嘴の色が違う。
▲救出に成功したゴイサギの幼鳥。恩返ししてくれるかなあ。