2005年 11月のフィールドノートから

11月17日(木) 龍郷町秋名

 この秋はなにかと忙しく、ろくにフィールドにでかけることもできない。渡り鳥の季節に出かけられないと、ストレスがたまってしかたがない。2時間だけ時間を作って、秋名に来てみた。

 先月末種名をめぐって紛糾していたガンも結局未見のままいなくなり、比較的最近出たサンカノゴイも見当たらない。それでもいまだ夏羽のまま全身が黄色い(キマユ)ツメナガセキレイを見つけ、満足。この鳥を追いかけていると、フィールドスコープに1羽のジシギが入ってきた。奄美では春秋の渡りの時期、少なからぬ数のハリオシギやチュウジシギが通過しているようだ。今季は珍しくアオシギまで。しかし野外識別の困難なジシギのこと、実態は把握できていないのが現実。バンディングに対する風当たりが強くなってきているようだが、少なくともこういった鳥の渡りの解明という面では、大きな貢献ができるはずだと思うのだが。

▲こいつはタシギでした。

11月22日(火) 笠利町大瀬海岸

 いくら忙しくとも、アボセットが出たと聞いて無視することはできない。朝一で大瀬海岸に来てみる。高さんからの情報を聞いた鳥好きの数名が集まるが、なかなか姿を現さない。干潮で汀線が遠く、しかも逆光なのでなかなかに探しづらい。シギはハマシギやミユビシギ、アオアシシギ、カモはヒドリガモ、コガモ、ハシビロガモ、それにズグロカモメも飛んでいるのが確認できる。しばらく待ったところで主役の登場。しかも自分を美しく見せる術を知っているかのごとく、順光の位置に現れるところなどスター性十分である。事故にでも遭ったかのように唐突に折れ曲がった細い嘴。白と黒のツートーンカラーのエレガントな装い。眼福眼福、珍客を存分に堪能できた。

▲頭の黒色部がまだ淡いので幼鳥だと思われる。
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